Re-Start 教授(参考)資料

Re-Start を作成する際に,3組のネイティブ・コンサルタント(全て日英に堪能な翻訳者)から,各例文に関してコメントを頂戴しました。(各コンサルタントの氏名は書籍の奥付に記載)

コメントの内容は,テキストの解説に反映されていますが,各課の要点から逸脱する内容や,テキストの対象者(=一般的な学習者)にとって高度過ぎると思われる内容は,テキストの解説には載せていません。

しかし,それらの内容は,Re-Startを使って指導を行っていただいている先生方,また,英検1級以上のレベルがありながら,Re-Startを使っていただいている方々にとっては有益な参考資料になると思いますので,このコーナーで紹介していきます。

「AmE#1」 は米国人翻訳者(とその配偶者)
「AmE#2」 は米国人翻訳者(とその配偶者)
「BrE」   は英国人翻訳者(とその配偶者)

 Lesson   Lesson   Lesson   Lesson  Lesson Lesson
1〜29 30〜59 60〜89 90〜119 120〜149 150〜170

Lesson 1 [1]
Ann is a good singer. She's an excellent dancer too.
アンは歌がうまい。踊りもすごく上手です。

2番目の文は,She's also an excellent dancer. と言い換えることができます。「〜 too.」 よりも,「〜 also 〜.」 のほうが,やや頻繁に会話で使われます。
また,会話ではほとんど 「She is〜」 は 「She's〜」 と省略します。(AmE#2)

Lesson 3 [3]
The market is closed on Sundays and holidays.
市場は日曜と祝祭日は閉まっています。

このような習慣的状況を表す文では,曜日を表す副詞句は 「on+無冠詞複数形」 と 「on+無冠詞単数形」 の両方が可能です (前者の方がより一般的です)。すなわち,この文では,on Sundays とon Sunday の両方が可能です。しかし,holiday を on holiday と曜日のように無冠詞単数形にするのは不自然です。この場合は,on holidays とします。

ですから,例えば,on Sunday and holiday とするのは不自然(間違い)です。(BrE)(AmE#1)

では,Sunday だけ単数形にして,on Sunday and holidays とするのはどうでしょうか。この点についてAmE#1は,不自然とは言えないまでも,スタイル上の配慮から on Sundays and holidays とする方が望ましいと言います。

Lesson 5 [3]
We stayed in a corner room with an ocean view.
私たちは海が見える角部屋に泊まりました。

ocean view は ocean に面したホテル(日本で言えば the Pacific Ocean)でなければ使えないのか。日本海(the Japan Sea)が見えるホテルの場合は with a sea view とした方がよいのか。この点について,コンサルタントに意見を聞いてみました:

AmE#1: ocean view でかまいません。上記のコンテクストにおいて with a sea view とは言わないと断言はできません。そのような言い方をする人があるいはいるかもしれません。しかし例文の表現が一番自然です。

AmE#2: 明らかに海ではない場合(例えば湖など)以外であれば,名称にSea が使用されてる場合でも 「ocean view」 と言って差し支えありません。湖や川も含め 「水」 の見える場所であれば,広義で 「with water views」 と言ったりもします。

BrE: ocean view は ocean でなければ使えません。

Lesson9 [1]
He's not at his desk right now.
彼は今席を外しております。

主語と述語部分の省略は,He's not … と,He isn't … の2通りがありますが,両者の間に,頻度やニュアンスの違いは感じられません。(AmE#1)(BrE)

Lesson13 [1]
Nobody's perfect, except me, maybe.
完璧な人間なんていないさ。たぶん僕を除けばね。

この文は,Nobody's perfect, except maybe me. とすることもできます。
ニュアンスの違いは,さほど重要ではありませんが,あえてそれぞれのセンテンスを分析すると以下のようになります:

 Nobody's perfect,    except maybe me.
 
(Positive statement)  (Confident, but questioning phrase)
 *This one is simpler and more suitable.

 Nobody's perfect,  except me,      maybe.
 
(Positive statement) (Definite statement) (Doubtful question)
 *This one is good for a comedy script, like Woody Allen.

従って,Nobody's perfect, except maybe me はユーモアを含んだ表現として受け止められ,Nobody's perfect, except me, maybe. はそれをさらにおもしろくした表現となります。(BrE)

Lesson13 [4]
My aunt and uncle have no children.
叔父夫婦には子供がいません。

この文で,have no child とすることはありえないのか。この点について,コンサルタントに尋ねてみました。以下はその回答です:

AmE#1: あり得ます。no child とすると,子供のいないこと(一人もいない)を強調する形になります。

AmE#2: have no child とは言いません。have no children が一般的です。don't have a child も可能です。

BrE: あり得ません。Grammatically it is possible, but the custom is to use the plural "children". I have no child could be more dramatic like in a film or play.

つまり,あり得ないとは言えないまでも,一般的には,習慣で have no childrenと言うようです。

Lesson14 [1]
Not everything on the Internet is accurate.
インターネットの情報が全て正確だというわけではない。

この文を,Everything on the Internet is not accurate. という語順にするのは避けるべきでしょうか。この語順にすると 「インターネットの情報の全てが正確ではない」 のように全部否定に聞こえるのかどうかを尋ねてみました。

AmE#1: 避けるべきです。語順を変えると,「インターネットの情報の全てが正確ではない」 のような訳になります。最近は多くの native speakers も両表現の差異を考慮せずに使う傾向があります。しかし,それは間違いです。

AmE#2: はい,避けるべきです。Everything on the Internet is not accurate では 「インターネットの情報の全てが正確ではない」 となってしまいます。

BrE: 意味が全く違ってきますので,避けるべきです。オリジナルセンテンスを別の英語で言い換えると,Some things on the Internet are accurate and some are not accurate. ですが,二つ目のセンテンスは,All things on the Internet are not accurate. となります。

Lesson16 [4]
"When does the store open?" "We open at 4:30 p.m."
「店は何時に開きますか?」「午後4時30分です」

一番目の文の主語が the store であるのに対し,二番目の文の主語は We になっています。聞かれた人(=2番目の文を述べた人)が店の人である場合は,It opens at ...とするより,We open at ... とする方が一般的です。(AmE#1)

また,ここでの store は小さな商店でも大きなデパートでも,どちらでも使えるのでしょうか。この点について聞いてみました。

AmE#1: はい使えます。

BrE: アメリカ英語では両方で使えます。ただし,イギリス英語では,大きなデパートには store を使い,それ以外は,shop を使うのが一般的です。

この BrE の上記の回答を受けて,さらにもう一点尋ねてみました。日本の大型スーパー(例えばイトーヨーカ堂やダイエー,イオンなど)は store と呼べるのかという点です。

BrE: Usually yes, but there is a difference between a store and a supermarket. Itoyokado and Daiei are supermarkets. Generally speaking, if there are shopping trolleys then it is a supermarket or superstore.

つまり, store と呼べるけれども,イトーヨーカ堂やダイエーなどは,supermarket と呼ぶほうが自然だということです。

Lesson17 [4]
"I can't go." "You can't? Why not?"
「僕は行けないんだ」「えっ,そうなの?なんで?」

AmE#2は,以下の理由から,この例文の 「えっ,そうなの?(=できないの?)」 は,Can't you? とすべきではないと言います。

AmE#2: "Oh, can't you? Why not?" の用法が間違っているというのではなく,"You can't? Why not?" のほうがここでの返答として予想されます。「can't you?」 は,たいてい以下のような感情的な話し方で使われます。

 Can't you see my point? (私の言っていることがわからないの?)
 Can't you leave me alone? (一人にしてくれない?)
 Can't you just do something? (何とかできないの?)

また,Why not? を単に Why? としてもよいのかという疑問に対するコメントは以下の通りです:

AmE#1: はい,かまいません。

AmE#2: 「Why?」 でも良いですが,「Why not?」 のほうが自然に聞こえます。

BrE: Whyも使えますが,第1話者の発言が否定文なので,Why notの方がより自然です。

Lesson18 [1]
How do you pronounce your last name?
(この)あなたの名字は何と読むのですか?

「何と読む」 の 「読む」 を日本語の直訳で read を用い,How do you read your last name? とするのは間違いなのでしょうか。この点についてのコメントは次の通りです。

AmE#1: 間違いではありませんが,名前が書いてある(何かカードか書類)のを見ている,という状況でしか使わないと思います。

AmE#2: 「read」 とするのは間違いです。

BrE: 間違いです。

Lesson19 [1]
How many hours a day do you practice?
一日何時間練習していますか?

「一日(につき)」 の a day を文末に置いてもよいのでしょうか。この点について,AmE#1 は,そうすることは不自然であり,また,文末に置くのなら,in a day にすべきだと言います。

Lesson20 [1]
"What's the date today?" "It's the 12th."
「今日は何日ですか?」 「12日です」

1番目の疑問文は,厳密には 「日付」(何月何日)を聞く表現か,それとも 「日にち」(何日)だけを聞く表現か,どちらでしょうか。コンサルタントの答えは次の通りです:

AmE#1: どちらの表現にも使えますが,何月かは両者とも了解済みか,あるいは問題ではないはずで,それを問題にした言い方ではありません。

BrE: 厳密には,日付(何月何日)を聞いていますが,答え方としては,何月であるかを言う必要はありません。

Lesson20 [3]
"What day is it? Wednesday?" "That's right."
「今日は何曜日? 水曜?」 「そうだよ」

「そうだよ(=それは正しい)」 という場合は,That's right. と That's correct. が思い浮かびます。これらの表現に違いはあるのでしょうか。
例えば,上記の例文において,That's correct. としても不自然さはないのでしょうか。この点について,BrEは 「このような単純な質問への正解を評する場合は非常にフォーマルな correct よりも,少しくだけた right の方が自然だと言います(Correct can be very formal. Right is more informal.) 。

That's correct. を用いるなら,次のような例が適切です: 

"Who painted this picture? Van Gogh?" "That's correct." 
(Re-Start Lesson 22-3の例文)

Lesson23 [4]
"I'm right, aren't I?" "I suppose so."
「私の言ってること,正しいでしょ?」「たぶんね」

「I am …」 の付加疑問は,「am I not?」 も可能であることは一般の文法参考書にも指摘されていますが,この 「am I not?」 という付加疑問は,あまり一般的ではありません。下記は,この付加疑問に対するネイティブの反応です。

AmE#1: "I'm right, am I not?" はイギリス英語の感じがします。現代のアメリカ英語では堅苦しく,儀式ばって聞こえます。

AmE#2: 少しフォーマルで古い表現ですので,ほとんど使われません。

BrE: ほとんど使いません。もし使われるとすれば,ユーモアを含んだ表現として使われます。

Lesson25 [5]
"Let's take a break, shall we?" "Yes, let's."
「一休みしようか」「うん,そうしよう」

「Let's …」 に対する受け答えとして日本の教科書では 「Yes, let's.」 が教えられますが,他にも次のように言うことができます:

AmE#2:
"Let's."
"Ok, let's."
"Sounds good."
"Sure." 

BrE:
"Yes." 
"Yes, OK."

また,"Let's take a break, shall we?" という言い方は,古めかしく聞こえると AmE#2 は言います。AmE#2 によれば,一般に,Shall we や Shall I という表現自体が,古めかしく,堅い響きをもつ,とのことで,"Let's take a break, shall we?" とせずに,"Let's take a break?" とした方が,現代英語ではより自然だと言います。但し,この点について AmE#1 と BrE に尋ねると,やや堅い表現であるとしても,特に差し支えがないとのことです。

Lesson26 [5]
"I don't feel like doing anything." "Neither do I."
「何もする気がしないな」「私もそう」

「Neither do I.」 を 「Nor do I.」 と言うこともできますが,アメリカ英語では堅苦しく聞こえます。「Nor do I.」 に対するコンサルタントの反応は以下の通りです:

AmE#1: どちらかというと,イギリス英語で使われる言い方です。

AmE#2: 「Nor do I.」 は堅苦しい感じがします。

BrE: いいえ堅苦しくはありません。

Lesson27 [5]
Here's a piece of advice for you.
君に一つアドバイスをしよう。

この表現は 「今から口頭でアドバイスをする」 という場合と,「今からアドバイスを書く」 という場合の両方で使えます。(AmE#1)

Lesson28 [2]
"What is your hobby?" "I play the piano."
「趣味は何ですか?」「ピアノをやっています」

1番目の文は単数形で 「What is your hobby?」 としていますが,What are your hobbies? でもかまわないのでしょうか? この点について,AmE#1は 「趣味が二つ以上であることを最初から確信する根拠がある場合を除いては,単数形の方が自然な表現」 だと言います。

Lesson28 [5]
The Tokyo Arts Festival takes place from August 25th to September 2nd.
東京芸術祭は8月25日から9月2日まで開催されます。

「from August 25th to September 2nd」 を 「from August 25th through September 2nd」 とすることも可能ですが(AmE#2, BrE), toの方が簡潔でベターです (BrE)。
但し, between August 25th and September 2nd とするのは 「不自然」 です (AmE#2, BrE)。

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