特 別 寄 稿

〜「All in One」著者・高山英士先生ならびに関係者の方々へ:




最初に

「All in One」を非常に「楽しく拝読」させていただきました。ありがとうございました。メール返信する価値が十分あろうと判断されたため、以下に意見をまとめさせていただきます。



私って誰

私の場合、仕事柄「英語」が必須。しかし、英語に限らず、語学が大好きな理科系出身の「男」。
日常の仕事には、かなりの専門性(基礎&臨床医学)が要求され、ビジネス関しては、国際性さえも要求されている。

とは言え、毎週土曜日には「書店に通うことを習慣」とし、またそれを「1つの楽しみ」としている者のようです。読む書籍のジャンルは、それこそ多岐にわたっている。

「ALL in One」については、いつも行く「西武リブロ」のショーウィンドウに展示されていることにたまたま気がつき、「タイトルが全てを語っている」と思い、早速「衝動買い」(4/10)。一昨日(4/25)1回目を読み終えた。

私が書籍に目を通すのは朝の電車の中だけ。それも並行して4-5冊は読んでいるので、この位の時間がかかった。でも、逆に言えば、この位の時間があれば簡単に通読できる程「All in One」は、読みやすくアレンジされた書籍。2回目は、印がついている箇所を中心に読み直す。



本書に関する寸評

本書に対して「好感」がもてましたので、「もっともっと良質な書籍」を発行していただきたく、以下に「寸評」としてまとめたく存じます。


利点

(1) 高校生、大学受験(中等度)程度の英語をコンパクトにまとめてある。
(2) 採用してある例文が多分野に渡っているので、読んでいて楽しい。
(3) ボキャブラリーもそこそこであり、とくに文法の説明がわかり易い。
(4) 索引も懇切丁寧。
(5) 本書の「はじめ」にかいてあるように、達成可能なレベル位置つけも妥当と思うし、本書の「限界」を規定するなど、まことに「紳士的」。まことに「素直」であり、好感がもてる。
(6) まとめ:本書を読めば、高校生程度の英語を短期間に思い起こすことができるような、 「ありがたい(有り難い)」本である。


足りない点&望む点

(1) 採用してある例文が余りに短すぎ、かつ平易(本書の平均値的な対象読者を定めているせいであろうが)。
(2) 新聞、ジャーナル、エッセイ、テレビニュース、演説などでナーテイブスピーカーが繁用しているボキャブラリーを盛り込んだ、もう少しレベルが高い「新刊書」を是非とも発行していただきたい。なぜなら、貴出版社は、すでに「しかるべき出版哲学&陣容を揃えている」と判断しているから。
(3)   この際、留意していただきたい点(まことに私個人の勝手な意見):
(a) 例文の採用は、ネイテイブスピーカーに一任。
(b) 解説は、高山先生。なお、解説のスタイルは「All in One」に準じる。
(c) 例文は、おもに「Time」、「Newsweek」、「Wall Street Journal」などの一般誌、「Nature」、「Science」、「Scientific American」、「National Geography」など科学誌、「New England  Jounal of Medicine」、「Lancet」、「Journal Clinical Investigation」など臨床医学誌、などの「Editorial Comments」あるいは「Update Topics」を中心に採用したらどうか。格調高い文章が「ふんだん」に盛り込まれている。                               


最後に

日本ほど「英語のハウツー本」が多い国は、他に類をみなかろう。程度も千差万別で、それこそ玉石混淆。
そのような状況下では、「特色、特徴ある書籍」を発刊することこそ、企業にとって非常に重要と考える。

少なくともこれまで市販された英語本は、「やれ会話だ、やれ文法だ、やれ単語だ、やれイデイオムだ」と断片的にしか捉えていない。まことに「軽薄きわまりない」状況。時々、日本人がみずからを「あなどっているのではなか」とすら思える。まことに由々しき状況。

この点、先にも述べたが「All in One」は「紳士的」。この「精神あるいは哲学」に則り、従来にはない発想のもと、つまり「All in One の精神」に則り、「この一冊さえ読めば、ほぼ社交的な、それも国際的な会話が可能」という書籍が発刊されることを期待している読者は、私個人にかかわらず、いまの「混沌とした日本を何とかしよう」という中高年層の数は、きわめて多いと確信している。

たとえば、「新渡戸 稲造」の「武士道」。原文をただしく読める日本人はいかばかりか。まして、彼の原文を書けるような日本人は、今や数える程ではなかろうか。それはとりもなおさず、「総合力の低下」と私は理解している。

このような「日本人に喝を入れる」ような「英語の書籍」を御社から是非、発刊していただきたい。「熱き願い」をこめて。  

以上