私は大学受験のために使うので、やはり単語・熟語のカバー率やヒット率がとても気になります。

ALL IN ONE はどのくらいの大学の、何年分の入試問題から分析して単語や熟語を選び抜いたのでしょうか?

私は早稲田志望なのですが、もちろん難関大学も分析していますか?



ALL IN ONE の561頁には,単語,熟語,構文の分析にした対象を掲載しています。

大学入試の単語,熟語,構文の分析に使用した資料は次の通りです:

(1) センター試験 1998年〜2005年の本試験ならびに追試験
(2) 国公立大学 1998年〜2002年
東京大学 京都大学 一橋大学 東京工業大学 東京外国語大学 大阪大学 神戸大学 名古屋大学 東北大学 北海道大学 九州大学
(3) 私立大学 1998年〜2002年   
早稲田大学 慶応大学 上智大学 青山学院大学 立教大学 明治大学 法政大学 同志社大学 立命館大学 関西学院大学 関西大学

私立大学に関しては,「全国大学入試問題正解」(旺文社)等に掲載されている学部を調査対象にしていますので,早稲田大学に関して言えば全ての学部が含まれています。

データベースの作成方法ですが,国公立大学と私立大学は,まず「全国大学入試問題正解」の問題文をスキャナで読み取りテキスト変換した後,WordLabというコーパス分析ソフトを使用して,出現回数の多い単語とその品詞,単語の意味を分析しています。

センター試験は別個の作業をしています。こちらは毎年,全英文中(設問も含む)に含まれる英単語を,MS Excel に,「単語,品詞,意味」の順に手作業で入力して詳しく分析しています。

熟語と構文に関しては,コーパス分析ソフトではうまく抽出ができないことが多いので,入試問題を読みながら,熟語と構文に当たる部分に下線を引いて,それを MS Excel に入力して出現回数の多いものを調べるという作業を行っています。

できあがった重要語のリストに含まれる単語を,その品詞と意味をできるだけ変えないように注意して,例文を作成しています。ただ,中にはどうしてもその品詞で用いることができなかったものがあり,品詞を変えて例文に盛り込んでいる場合もあります。

英単語の(上位大学入試問題での)ヒット率は,2000語程度が掲載されている大学受験用英単語集(例えば「英単語ターゲット1900」など)と最難関大学レベルの単語で比較すると,同じか ALL IN ONE の方がやや高い程度です。英熟語と構文に関しては,手作業で抽出を行っている分 ALL IN ONE の方がより正確で,1000語程度の熟語集よりもヒット率がかなり高い結果が出ています。(以前,主要大学に関して,単語と熟語のヒット率を比較調査したことがあり,結果をホームページで公表していましたが,自前のデータでは信憑性を疑われますので,削除した経緯があります)

ALL IN ONE に掲載されている単語は2600語あり,この数は一般的な受験用単語集より1000語程度多くなっていますが,この1000語はやや基本的な単語と TOEICのような実務英語の単語です。実務英語の単語は入試問題での出題は多くはありませんが,出ないわけではありませんので,上位大学受験者にとっては決して無駄にはなりません。

2002年以降の入試問題は(センター試験を除いて)分析していませんが,大学入試での重要語というのは大きく変化するものではないので,心配する必要はありません。