ALL IN ONE 方式」 の学習が負担になる人へ

本書のコンセプトである 「単語,文法,読解,リスニングを同時並行で行う」 という 「ALL IN ONE 方式」 の学習法は,各項目の知識や技能が既に6割〜7割身についている人には非常に効率的ですが,そうでない人にとっては負担が大きいと思います。実際にやってみて 「全て同時平行で行う学習は自分には負担が大きい」 と感じる場合は次の方法で学習を進めるとうまくいきます。 (そのような報告を学習者や先生方からいくつも頂いています):



【Step1】

一巡目の学習では,単語・熟語・構文の暗記とリスニングの練習は行わず,Grammar & Usage だけに絞って,文法・語法・読解の解説を通読し,文法と語法の全体像(=体系)を頭に入れます。(この段階では例文は必要に応じて軽く目にする程度にします。また,Grammar & Usage の 「細かな」 事項を暗記する必要はありません。それは二巡目以降の学習で行うことになります)。この際の習熟度は7割程度でかまいません。この学習の進度は 「学習進度表」 を無視して,一日に何頁進んでもかまいませんが,7割程度の習熟度になるように復習はきちんと行ってください。(この段階でなかなか文法が頭に入らない方はまだ ALL IN ONE を行う段階に達していませんので,無理をせず,高校初級レベルの文法参考書 (Linkage Club のテキストで言えば Re-Start) から始めてください。その方が結果的に近道です)



【Step2】

Step1の学習で文法・語法の全体像と読解の練習がある程度できたら,二巡目の学習では,例文の読解を通しての単語・熟語・構文の習得を行います。一巡目の文法・語法・読解学習で例文の単語・熟語・構文を一度軽く目にしているはずなので,この,二巡目の単語・熟語・構文の習得は,初めて学習するのと違い,比較的容易に進みます。まずは例文がすらすら読めるようにして,次に Words, Phrases & Patterns 欄で,和訳を見て英単語・熟語・構文が言えるかテストします。この時も単語・熟語・構文の習熟度は7割〜8割で十分です。



【Step3】

Step2の復習(単語・熟語・構文の暗記)を兼ねてリスニングCDで聞き取り練習,もしくはシャドーイングを行います。スロースピードCD (別売の ALL IN ONE Extras に付属)は読解とシャドーイングの訓練として適しており,ナチュラルスピードCD (ALL IN ONE に付属) はリスニングの訓練に適しています。全てを復習するつもりで,CDを何度も繰り返し聞いてください。また,リスニングの弱い人は, 「ネイティブ式発音・聴き取りのコツ」 (第4版の Disk2 に収録されているPDFファイル) で音の変化と省略のコツを学んでください。



以上の3段階の学習によって,単語・熟語・構文,文法・語法,読解,リスニングの習熟度は全て9割以上に達します。